モーラー奏法3 ~強弱と精度~

今回は、モーラー奏法のダイナミクス(強弱)について書いていきたいと思います。

モーラー奏法は、アクセントをつける奏法だと最初に説明しましたが、
ダイナミクス(強弱をつけた表現)はどうでしょうか?
一般的なストロークセオリーと比較してみたいと思います。

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Ex-1
moeller001
この譜面を、モーラー奏法と、一般的なストロークセオリーで叩いてみます。
動画では、ゆっくりなテンポ、速いテンポで演奏するのでどう違うか注目してみてください。

【強弱の差】
一般的にドラムで言うダイナミクスは、最大の音と最小の音の差が大きいほど、
表現の幅が広がります。
モーラー奏法はスピードや最大音量には秀でていますが、
強く叩けば叩くほど、2発目のタップが強く出てしまいます。
逆に、一般的なストロークセオリーでは、全ての音を指を使ってしっかりコントロールするため
強弱の差はしっかりつくし、音量を都度コントロールすることが出来ます。

【音を揃える】
今度は、できるだけモーラー奏法で音量や、音の粒をそろえるように演奏してみます。
動画のEx-2です。
どうしてもモーラーモーションのせいで、若干の強弱はついてしまうし、
それを均等にするために、指先の微妙なコントロールが必要となってきます。
ですが、そもそもモーラー奏法はコントロールをしないことに利点がある奏法なので、
この試み自体が本末転倒です…。
音の粒をそろえたければ素直に、しかるべきストロークセオリーを使って叩きましょう。

以上のことから、モーラー奏法では音量や音の粒をそろえることは難しく、
苦手だと言えると思います。
しかしながら、卓越した技術でそれを可能にしているドラマーも数多くいるのも事実です。
例えば、Steve SmithDave Wecklのハンドテクニックは達人の域なので
是非一度、見てみることをオススメします。

次回は、一般的なストロークセオリーとモーラー奏法の動きの違いについて
書きたいと思います。

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