速いシングルストロークを曲で使うコツ

日本のロックやアニメソングなどで、速いシングルストロークをよく見かけます。
叩き慣れないと左右の手がもつれてグダグダになるので、苦手な方も多いのではないでしょうか?
今回は、高速シングルを曲で使う時のポイントを紹介したいと思います。 続きを読む

シングルストロークのみで演奏する

ドラムを始めた頃、譜面や教則本を見てドラムを練習したと思います。
日本で出ているほとんどの書籍には、シンプルな8ビートと
タカトンというフィルインが最初に載っていますね。
みんな当たり前のように叩いていますが、もちろん、違う形のビートもあります。
そこで今回は、趣向を変えてシングルストロークだけで、
ビートとフィルインを叩いてみます。 続きを読む

ストーンキラー

ここまでのストロークを総合的に練習する方法としてストーンキラーという練習法があります。
始めてやる方は、右スタート、左スタートの連打を瞬時に切り替える場所がありますので、
無理なく出来る速さでスタートしましょう。


、まずは一番上の段、右手で4発、左手で4発叩きます。
これを1セットとして10セット繰り返します。
続いて2段目、右手8発、左手8発叩きます。これも10セット。
3段目は12発ずつ、4段目は16発ずつ、これも10セット。


、一通り叩いたら、2週目は頭にアクセントをつけます(譜面参照)。
これも各10セットずつ叩きます。


、3週目は16分の4発目にアクセントをつけます(譜面参照)。
これも各10セットずつ叩きます。


、ここまできたら次は両手で叩きます。
1の譜面の間に逆の手を入れます。
右スタートと左スタートを入れ替える直前だけ、音符をひとつ減らして切り替えます。
これも各10セットずつ叩きます。


、2と同じように頭にアクセントをつけます。
これも各10セットずつ叩きます。


、3と同じようにリードしている手の4発目にアクセントをつけます。
これも各10セットずつ叩いて終了。

同じように3連符や8分音符でもできます。

1~6の各フレーズとも右スタートと左スタートの切り替えが重要なポイントとなります。
最初に書いたように、慣れないうちは無理なく切り替えられるテンポで。
手順が体に馴染んできたら少しずつ速くしていきましょう。

興味のある方は、Joe Morello(ジョー・モレロ)のMaster Studies(マズタースタディーズ)という
教則本に詳しく書かれていますので見てみてはいかがでしょうか。

ちなみに、考案者のGeorge Lawrence Stone(ジョージ・ローレンス・ストーン)氏は、
これを50セット繰り返すことを推奨しています。(本の中では30回と書いてあったはず…)
ためしにBPM=80で50セットやってみたところ、終わるまでに1時間30分ほどを要しましたw
まったく笑えませんでした。

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連続したストローク

基本となる4種類のストロークを解説しましたが、これだけではフレーズは叩けません。
ストロークの連続性を学びましょう。

それぞれ4つのストロークには、始点と終点が2種類ずつ(ハイポジション、ローポジション)あります。

フルストロークは、ハイポジションから始まりハイポジションで終わる。
ダウンストロークは、ハイポジションから始まりローポジションで終わる。
タップストロークは、ローポジションから始まりローポジションで終わる。
アップストロークは、ローポジションから始まりハイポジションで終わる。

つまり、ハイポジションで終わる(フル、アップ)ストロークの次には、
ローポジションで始まる(タップ、アップ)ストロークは叩けないということです。
逆もまた然り。
(ローポジションで終わるストロークの次には、ハイポジションで始まるストロークは叩けない)

これらを踏まえて、以下の譜面を叩いてみましょう。
A~Pまでの各フレーズを1拍として、2小節ずつ順番に叩きます。
フレーズの下に書いてある記号は、F=フル、D=ダウン、T=タップ、U=アップです。

この練習のキモは、カッコ内に表記された記号です。
例えば、AからBへ移るときに、本来なら一番最後の左手はTですが、
次のフレーズの最初の左手がDなので、ストロークをUに変えて、
スティックをハイポジションまで持っていく必要があります。

普段何気なく出来ていることかもしれませんが、このストロークセオリーを
頭で理解しているのとしていないのとでは雲泥の差がありますので、
始めは、ゆっくり考えながら練習しましょう。
また、速いフレーズが叩けないとか、タムを絡めたフレーズが上手く叩けない時などは、
このセオリーを思い出してみると、思いのほか上手にできたりしますので、
普段から練習して、意識しても無意識でも出来るようにしておきましょう。

同じ要領で3連符にもチャレンジしてみましょう。

気をつける所は16分音符の時と同じですが、
1拍目と2拍目で手順が入れ替わるので、難易度高いです。
始めはゆっくり、出来るテンポで考えながら練習しましょう。

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ストロークの種類と奏法

基本的なグリップを学んだら、次はストロークです。
一般的には、フル、ダウン、タップ、アップの4種類のストロークがあり、
それを使って演奏します。

まずは、レディポジションを設定します。
レディポジションとは、ストローク前の待機位置のことで、ここを基準に
スティックを上げたり落としたりします。

レディポジションが上(ハイポジション)の時のストローク

・フルストローク
強く叩くアクセントストロークです。
ハイポジションからスティックを振り下ろし、打面に当たりかえってくるバウンドに逆らわず、
そのまま元の位置まで戻します。
バウンドして跳ね返ってくるスティックに指が当たらないように、少し開いてあげるのがポイント。

・ダウンストローク
強く叩くアクセントストロークです。
ハイポジションからスティックを振り下ろし、打面に当たった瞬間に握りこみバウンドを殺します。
ストローク後の位置は一般に打面から2~3cm位(1inch)が良いとされています。
握りこんだ瞬間、スティックがブルブルッと震えるのは、握るタイミングが遅く、
寸止めっぽくなって、アクセントが少し弱くなるのは握るタイミングが早い証拠なので、
ちょうど良いタイミングを感覚で覚えましょう。

レディポジションが下(ローポジション)の時のストローク

・タップストローク
弱く叩くノーアクセントストロークです。
ローポジションからスティックを落とし、打面を触るように叩きます。
手首を使って叩くものをリストタップ、指を使って叩くものをフィンガータップと呼びます。
動画では、リスト4回、フィンガー4回やっています。
より分かりやすいよう、動きを大げさにしています。 

・アップストローク
弱く叩くノーアクセントストロークです。
ローポジションから打面をタップした後、手首を使いハイポジションまでスティックを持っていきます。
動きに余計なクセがつかないよう、鏡などを見ながら練習しましょう。

 

ひとつひとつの動きを確認したら、連続して叩いてみましょう。
フル、ダウン、タップ、アップの順番です。
動画内では頭文字をとって「F→D→T→U」と明記しています。

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グリップの種類と利点

まずはスティックを持たないことには始まりません。
一般的な、ジャーマンフレンチアメリカンの3種類のグリップと、それぞれの利点を紹介します。

・全てのグリップに共通することですが、人差し指の第二関節辺りと、親指でスティックを挟み込み、
他の指を添えていきます。ストロークに慣れるまでは、グリップに余計なアソビが出来ないよう
隙間を開けずに握りましょう。(写真参照)(こちらのページの動画でも紹介しています)

ジャーマングリップ

手の甲を上に向けるように構えます。
腕の延長線上にスティックを構えると良いでしょう。
ジャーマングリップの利点は、手首を使ってコントロールすることによる安定感、
弱いストロークのコントロールのしやすさ等が挙げられます。

フレンチグリップ

親指を上に向けて構えます。
親指を支点にして、その他の指でストロークします。
バウンドを上手く使い指先(小さい筋肉)を細かく動かすことで、速く叩くことができます。
ティンパニを叩くときに用いることから、ティンパニグリップとも呼ばれます。

アメリカングリップ

ジャーマンとフレンチのちょうど間くらいのグリップです。
利点も、ストロークの安定感とスピードが得やすい、
ジャーマンとフレンチの中間的なグリップと言えます。

トラディッショナルグリップ

トラディッショナルグリップ(レギュラーグリップとも呼ばれます)は、
まず、親指と人差し指の間にスティックを挟みます(写真右)。
この時、スティックと手の間に隙間が出来ないように注意しましょう。
隙間が出来ると、グリップが弱くなりストロークが不安定になってしまいます。
次に薬指の第一関節の上あたりにスティックを乗せます。
中指は添えるだけです。
人差し指は、ロールなど、プレスをかける際に引っ掛けます。
人差し指をかけないと、よりオープンなサウンドが得られるので、
自分の欲しいサウンドに合わせて握り方(握り具合)を調節します。
こちらのページの動画でも紹介しています)