チューニングができたら、今度はマイクの立て方です。
ライブやレコーディングなどの時は、スタッフやエンジニアの方がマイキングしてくれますが、
自分でレコーディングする時は、自分でマイクを立てなければなりません。
全く同じ位置に同じ向きでマイクを立てても、部屋の大きさや、壁の素材、
その日の気候やマイクの種類などでも音が変わってきますので、
都度、マイクから入ってくる音を確認しながらマイキングを行いましょう。
生で聞いてても違和感が無いのに、マイクを通すと各タムの余韻が違うとか良くあることなので、
レコーディングなどの場合には、 生音ではなくマイクを通した音を聞きながらチューニングやマイキングをしましょう。
以下、普段私がやっているマイキングを簡単に解説をしていきます。
【全マイク共通】
・指向性のあるマイクはその指向性の延長線上にスネアが入らないようにする。
スネアの音は一番マイクに乗りやすいため、少しでもカブリを抑えます。
・打面に近づけすぎない。
打面に近づけすぎると、皮のペチペチした音ばかり録れてしまって、肝心の胴鳴りが録れません。
注意しましょう。
【OT(オーバートップ)】
全体の音が満遍なく入るマイクです。
ほとんどこれだけでMIXしてしまうエンジニアもいるくらい重要なパーツなので、
しっかりマイキングしてあげましょう。
私の場合、シンバル類を一番収音したいので、シンバルに向けることが多いですが、近づきすぎると、
位相がぐちゃぐちゃになるので、気をつけます。
OTはステレオで録る場合、位相がズレないように、大体真ん中、スネアから等距離に置くことが多いです。
【スネア】
曲のカラーを決定付けるといっても過言ではないくらい重要パートです。
打面、裏面共に、中央付近を狙います。
打面側はハイハット、裏面側はバスドラムのカブリが結構入りますので、
できるだけカブリを少なくするマイキングを。
【バスドラム】
最近のレコーディング現場では2~3本マイクを使うことが多いですが、
宅録の場合、1本で録ることが多いと思うので、
フロント真ん中に穴がある場合、バスドラムの口径を一辺とした正三角形の
頂点にマイクのダイアフラムが来るようにセットします。
もちろん、打面側、ビーターが当たる正面には立てないこと。(風圧でノイズが入るため)
【タム】
他の楽器のカブリ(特にスネア)を出来るだけ入らないようにすれば、
特に注意点はなし。
【ハイハット】
一般的には15~20cmくらい離すのが良いらしいですが、
割とOTなどに収音されるので、逆に思いっきり近づけて、
MIX時に必要なら使うという感じでやっています。
ちなみに、AKGのC518 Mというマイクは、意外と上からも収音するので、
すぐ上にシンバルがあるようなセッティングの場合は注意。
【Amb(アンビエンス)】
自宅で録る時には使うことはありませんが、
アンビエンスを立てるとき、位相に注意しましょう。
一番収音されるスネアからの距離をOTと同じか、その倍など、
位相が合う距離に置きましょう。
簡単に解説しましたが、最初に書いたとおり、
部屋の大きさや、材質などでも変わってしまうため、
レコーディングをするときには、一回一回面倒くさがらず、
自分の納得できる収音方法を探してみましょう。