人に教えたり、HPに記事を書いたりする時に、非常に気を使うのが言葉のチョイス。
元々ドラムセットというのはアメリカ発祥の楽器で、
奏法などは最初に英語で解説されたものがほとんどです。
それを日本語に訳して説明するときに当たる壁が言葉。
8ビートは海外では通用しないというのは有名な話で、
8ビート、16ビートなど、リズムの形によって名称をつけるのは日本では
当たり前のことですが、海外ではあまりそういった言い方はせず、
8th Note Feeling、16th Note Feeling、等と説明されます。
つまり、シンバルを8分音符で刻むことが重要なのではなく、
8分音符のフィーリングを表現することが重要なのです。
同じような和製英語だと、ノートパソコン、ガソリンスタンドなどがありますね。
閑話休題
最近、師から面白い話を聞きました。
よくダブルストロークを解説するのに使う単語で「離す」と「握る」があります。
単純に叩くときの動作を表現した言葉です。
英語で解説するところの「release」と「catch」を訳したものなのですが、
この言葉がダブルストロークというテクニックの習得を阻害している可能性があるのです。
日本人が「握る」と言われてまず想像するのが、こぶしを握る動作だと思います。
ですが、「catch」という言葉は、ボールをキャッチする等に使われる通り、
動いているものを捕らえるというニュアンスがあります。
ここで、ダブルストロークの2発目を「握る」と言われるのと、「捕らえる」と
言われたのでは、動作が変わってくるのではないでしょうか?
特に、力の入れ具合などは変わってきませんか?
師の経験では、これを言い換えるだけで、ダブルストロークを習得できる生徒が
増えたそうです。
このように、テクニックが習得できない場合、
奏法や練習法を見直すと共に、考え方に縛られていないかを
今一度見直してみると良いのかもしれません。