音符を正確に叩こう

ドラマーといえども、音楽をやっていれば譜面というものに出くわします。
リズム楽器の楽譜って特殊だし、キーもコードもドラムには関係ないから、
譜面は苦手という方は実は多いです。

でも、少しでも音符が読めたら、音を聞かないでもフレーズがわかるし、
なにより正確なリズムを頭で把握できます。
コレ意外と重要で、頭で理解していないフレーズって実はちゃんと演奏できないんです。
簡単に言うと、耳コピできないフレーズって叩けませんよね!

でも、音符の珠を見ると頭が痛くなる持病をお持ちの方もいますので…w
今回は、難しい譜割りを攻略する方法を1つ書きたいと思います。

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さて、例題です。
この譜面さくっと叩けますでしょうか?叩ける方はOKです。そっとブラウザを閉じてくださいw
16分とか3連とか混ざっていて複雑そうですね。

練習には骨が折れそうですが、
この譜割り、実はある有名な歌に出てくる譜割りなのです。

それは「犬のおまわりさん」
迷子の迷子の子猫ちゃん~♪ってやつです。
後半にある、「泣いてばかりいる」のくだりが実はこの譜割りと同じになっています。

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これですね。
この歌を知っていれば、難しく思えたフレーズも歌うことで簡単に理解できるようになります。

こんな感じで、同じ譜割りの歌でリズムを覚えるとすんなりフレーズが体に入って来ると思うのでお試しあれ。
たとえば、シャッフルのリズムなんかで、
ハネ具合がちゃんハマらなくて苦手という声を聞きますが、これはミッキーマウスマーチを
歌ってみれば良いと思います。意外とちゃんとハネられるはずです。

アプローチを変える

習得したいテクニックをたくさん練習していても、なかなかできるようにならない時が
あると思います。
そんな時は、考え方を変えて違った練習方法を試してみると、意外とすんなり出来るようになったりします。

たとえば、パラディドル。
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この譜面がなかなかスムーズに叩けないとき、
このまま練習していてもいつかは叩けるようになると思いますが、
練習でストレスを感じたときに、別のアプローチを取ってみるのも
良いことだと思います。

例えば、
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シングルとダブルを交互に叩いてみる。
この譜面がスムーズに出来るのならパラディドルはモノに出来るはずです。
なぜなら、1小節目の最後の2つと、2小節目の最初の2つでパラディドルの
手順になっているからです。

また、
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パラディドルを、分解して、構築していく方法で練習してみる。
奇数小節のRRLLの腕の動かし方を基準にして、その他の音を入れていきます。
手先ではなく、腕全体や、体の動きを一定に保つことを意識すると良いです。

パラディドルに限定しても、まだまだ沢山のアプローチがありますが、
なにかを練習するときに、その練習方法を一つに絞らず、
色々な角度からやってみるということは、技術の習得を早めるだけでなく、
ドラムに対する柔軟な姿勢や、新たな発見の可能性を高めることにもつながって行くので、
是非是非、色々なアプローチの仕方を考えて欲しいと思います。
そして、それを考えることで、自分にとってどのような練習が合っているのかを
知ることができるし、自分に合う練習が出来れば、
上達も早くなり、モチベーションも常に高く保てるでしょう。

ドラムのチューニング 2 -Tuning-

前回に引き続きテーマはチューニングなんですが、
今回は、僕がドラムをチューニングするうえで気をつけていることや、
考えていることなんかを紹介したいと思います。
基本的には、知人や技術書などから得た知識をベースに、色々試してみて
今のやり方に落ち着きました。

ヘッドを張り替えてチューニングをする時に、
まず最初にやることは、新しく張るヘッドの状態を確認します。2013-10-18 15 46 05
ヘッドの高さが360°同じ高さであることを確かめます。
写真の赤い矢印のところです。
これが揃っていないと、いくら頑張っても均等なチューニングができません。
モノによっては1~数ミリずれているものもありますので、
もし、新しいヘッドがそうなっていたら諦めて違うものを買ってきてくださいw
そのほか、円が歪んでいないかをチェックすると良いと思います。

ヘッドのチェックが済んだら、張っていきます。
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僕の場合、裏から張っていきます。
よく、ヘッドを張っていない状態で、シェルの内側を叩いたときの音程がそのドラムの音程だ。
なんてことを言われますが、その音程にそろえても良し、揃えなくても良いと思います。
ちなみに、表のヘッドが張ってある場合、写真のようにタオルなどでミュートしておかないと、
ヘッドをチューニングしているときに鳴ってしまうので正確な音程がとりにくくなります。

ボルトにテンションがかかってくるまでは、各ボルト同じだけ回転させ、
その後は、大体45~90°くらいの回転を、よくチューニング法で紹介されているように
対角線状に順番を決めて締めていきます。
あとは、前回紹介したtune-botさんで音程を合わせていきます。

表も同じようにヘッドを張ります。
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両面張ることができたら今度は、表と裏の音程差ですが、
僕の場合、裏を表より1~2度高い音程に合わせています。
これによって、音の長さや鳴り方がちょうど良くまとまると感じています。
よく、表裏は4度差と言われたりもしますが、録音すると、
そこまで音程差が無い方が自然な鳴り方をするような気がしています。

ちなみに、裏は表より薄いヘッドを張っています。
音程差と合わせて、余計な倍音が出過ぎないためです。

ひとつひとつのドラムにヘッドを張ったら、最後にドラムセット全体で鳴りを確認します。
単体のタムが素晴らしい鳴りでも、全体で鳴らしたらイマイチ…なんてことは良くあることだからです。
ここで、注意したいのは、タム間の共鳴で、
一つを鳴らしたときに他の楽器が嫌な共鳴を起こしていないか。
もし、共鳴が気になるなら、ミュートを施したり、チューニングを変えたり、
色々試してみましょう。
ただし、共鳴は構造上、完全になくすことは出来ないので、神経質になりすぎないことも大事です。
僕は、嫌な共鳴を少しでも軽減させるために、タムの音程をキレイ(長3度や完全5度)にそろえないようにしています。
例えば、大きいタムからド、ミ、ソ等にすることは避けます。
音程には倍音という音が含まれていて、そこに含まれる音程を鳴らしたときに増幅されて、
共鳴がおきやすくなるのです。

ですが、逆に曲のキーに合わせてチューニングすることで、より音楽的に楽曲に馴染むという
考え方もあり、どちらが良いかというのは一概には言えませんが、
どちらも一度試してみて効果を実感してみるのが良いと思います。

以上のように、チューニングというのは、様々なことを実験、経験してみることが
上達の近道ではないかと思います。
僕のやり方は、マイクで収音することを前提に、いかに分離よく処理しやすい音で収音できるかというのを目指したやり方ですし、アコースティックなドラムの鳴りを最大限に!という音にしたいのなら、また違ったチューニングにした方が良いでしょう。

さらに、ヘッドの種類や厚み、メーカーなどでまたサウンドも変わってくるし、
もっと言ってしまえば、同じチューニングでもスティックが違えば違う音が鳴るので、
自分なりの音というのを研究してみると良いと思います。

ドラムのチューニング 1 -Tuning-

よく受ける質問で、ドラムのチューニングに関するものがあります。
やり方や、目指すサウンドなどは、人それぞれで正解が無いものだと思っているので、
明確な答えは出せないのですが、そういった技術を専門にしているドラムテックという職業があるくらいですから、つきつめていくと非常に奥深いというのがわかると思います。

僕自身は、ライブやレコーディングにおいて、出来るだけ他のマイクに干渉しない、
ドラム同士が変な共鳴をしない、かつ、出来るだけドラムが鳴るチューニングを目指しているのですが、その日の環境やコンディションなどに左右されるので中々難しいです。
そのあたりは経験で補うしかないと思うので、最近はいつでも同じ音でチューニングできるように、チューナーを使ってピッチを整えています。

具体的に使っている機材は、tune-botってヤツなんですが、
これが中々の優れもので、ドラム(打楽器全般)の音程をHz(ヘルツ)またはピッチ(音程)で
合わせることが出来ます。
これを使うことで、常にドラムセットを同じチューニングで保つことが出来るのです。
特に、レコーディングの現場など、何度もテイクを重ねていると
段々皮が伸びてきたり、振動でボルトが緩んだりして、
ピッチが下がることがありますが、これで計っておけば、常に同じピッチで録音ができるワケです。
実際、現場でも最近注目されているアイテムだそうです。

肝心の精度なんですが、
絶対音感を持つ知人が、自分の思うドラムの音程と一致すると言っていたので、
かなり信頼できると思います。
使い方も簡単で、リムに一箇所クリップで留めておくだけで、全ボルトのチューニングをすることができます。

ドラムセット全体でピッチを決めるとまではいかなくても、
タム一個ピッチをそろえてあげるだけで、驚くほどきれいに鳴ってくれるので、
一度、リハーサルスタジオのドラムで試してみてはいかがでしょうか?
結構世界が変わりますよ!

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ドラムの音程が目で見てわかるのでチューニングが捗ります。

このように、チューニングに関しては文明の利器に頼っているのですがw、
僕が実際どんな考えでチューニングをしているかは、次回書きたいと思います。

メトロノーム -Metronome-

練習や録音など、様々なシチュエーションでメトロノームを使う機会があると思います。
特にドラムの練習には必需品といっても過言ではないでしょう。
楽器屋さんへ行くと、大きさや機能などたくさんの種類が出ていますが、
僕のオススメをいくつか紹介したいと思います。

一番オススメなのは、BOSSのDr. Beat DB-90
メトロノームの機能を全て満たしつつ、メモリーやチューナー機能までついている優れモノ。
同じくらいの価格帯だと、もう販売していませんがYAMAHAのクリックステーションもオススメです。
中古などで見かけたら手にとって見ると良いかも知れません。

DB-90じゃデカイし、高いよ。
という方には、同じDr.BEATのDB-30は携帯にも良いです。

DB-90がオススメな理由として、
16分もしくは3連符が同じ音で再生できる点が挙げられます。
これは意外とドラマーには重要なことで、
例えば、スクエアな16ビートを練習していたとします。
メトロノームがピコカコピコカコと、一音ずつ違う音で鳴っていると、
それに合わせて叩けば叩くほど、
気づかぬうちに音に合わせて微妙な強弱がついてしまうことがあります。
なので、そういった練習には、カカカカカカカカ、とかピコココピコココなど、同じ音が連続して鳴るメトロノームを使った方が良いです。

あと、携帯に優れていてコスパが良いのはKORGのMA-1 BKRDとか。
最近では、スマートフォンのアプリにも多機能なメトロノームがたくさんあるので、
自分の気に入ったものを探してみると良いと思います。

練習パッド選び~足編~

前回、練習パッドについてアレコレ書いたんですが、
アップした後に、「足のこと書いてないじゃん」と気づいたので、
今回は練習パッド(足編)です。

手の練習パッドに比べ、絶対数が少ないので、
あまり選ぶ余地も、気をつけたいポイントも特には無いのですが、
いくつか紹介してみます。

まず一番スタンダードというか、足の練習パッドと言うと多くの方が想像するのは、
Pearl BD-10あたりでしょうか。
僕も持っていますが、この手のパッドをストレス無く練習に使うには工夫が必要で、

その一、踏むと振動でずれるので固定する。
一応、本体にスパーは付いていますが、気休め程度なのでホームセンター等で買える、
パンチ滑り止めマットを使った方が良いです。

その二、踏み心地を調節する。
打面にはウレタンが付いているのですが、踏んだ感じがバスドラムとは到底似つかない叩き心地です。何故かw
なので、カッター等でこのウレタンを剥がし、自分の好きな踏み心地になるような素材を貼り付けましょう!
僕は、これもホームセンター等で売っている緩衝材をいくつか重ねて貼っています。
自分の好きな叩き心地になるよう色々な材質を試してみましょう。

その三、防振する。
騒音を気をつけなくて良い環境であれば問題ないのですが、
マンションなどで使う際は、防音防振に気をつけたいものです。
防音は打面の材質を工夫すればだいぶ防ぐことが出来ますが、
踏む振動というのは、中々防ぐことはできません。
僕の場合は、緩衝材+コンパネ+防振マットで、何重にも防振対策をしました。
それでも完全な防振には至りませんでしたが、かなりの軽減は出来ました。

同じようなタイプの練習パッドで、
DWのCPPADBDSSというパッドは打面の高さが調節できるので、ビーターを長め、
もしくは短めにセッティングしている方にも使える練習パッドです。
Steve Smithがプロデュースしているので、さすが!と言ったところですが、
上記その一~三に見事当てはまるので、注意が必要です。

その他、僕が足の練習パッドで一番オススメなのが、
Roland V-DrumsのキックパッドKD-120です。
もうこれに関しては、練習パッドではないのですが、
踏み心地が一番生のドラムに近いです。
メッシュヘッドなので、跳ね返りが強いと感じたら、タオルをクリップで留めれば、
防音も出来て打感も良いし、ヘッドも傷まないので超オススメ!
でも、練習パッドとして買う価格でも無ければ、そもそも練習パッドじゃないので…w

バスドラムの中に毛布などをぎゅうぎゅうに詰めて、
市販の消音パッドをつけても練習パッドのように使えます。
音も存在感もでかいですがw、楽器を叩いてる感は一番あります。

とまぁ、こんな感じで、
手の練習パッドに比べ、コレ!というものが無いのが現状です。
もしかしたら僕が知らないだけなのかもしれませんが、
そのままパッドを使うのではなく、一手間二手間くらいかけないと、
ストレスなく足の練習をすることは難しいかと。

若干、DIYの要素が入ってきたりしますが、
ドラマーの方はホームセンター好きな人多いですねw

練習パッド選び

多くの方が、部屋での練習やウォームアップに練習パッドを使っているかと思います。
現在発売されているパッドは大きさ、形状、材質など様々あり、
一見してどれが必要で、良いパッドなのかは中々判断しづらいでしょう。
今回は、用途や習熟度別に適したパッドを個人的見解を多分に含めて紹介していきます。

まず、初心者~上級者向け
初めて買う練習パッドとして、強くオススメしたいのは、
ゴム製で跳ね返りの強いパッド。HQのとか、VIC FIRTHのとか。
僕もイロイロなものを使いましたが、今は、VATERの黄色と黒の両面が使えるパッドがお気に入りです。

オススメする理由として、
ドラムを始めた時に一番最初に身につけたい技術が、
叩いたときの跳ね返りをコントロールすることだからです
ゴム製のパッドはドラムセットよりも反発が大きいので、
打面をバウンドさせるという感覚が理解しやすい。
加えて、ただ棒を持って叩くのではなく、スティックをしっかりグリップして、
指や手首を使ってストロークするという、基本技術が会得しやすいと思います。
中級以上の方に対しても、指を使った高速域のストロークや、ルーディメンタルな練習に
この手のパッドは適していると言えます。

逆に跳ね返らないパッド。中級~。
RTOMのパッド、通称ムーンジェルやポリウレタン製のE-PADが有名です。
素材が柔らかく、ほとんど跳ね返りがありません。
フィンガーストロークがやりにくいので、必然的に手首でストロークせざるを得ない。
それによって、手首が鍛えられる→ショットが強くなる!というシロモノですが、
僕がオススメしたいのはむしろ、コレw。
ホームセンターとかに売っている安いもので構いません。
手首を鍛えたいなら迷わずコレを買いましょう!パッドを買うより安いですし。

あとは、フープのついているパッドなんかもありますね。
YAMAHAとか、Pearlとかから出ていますが、この手のパッドで一点注意して欲しいのが、
打面が平らかどうか。
打面が平らでないと、バウンドの軌道が微妙に変化してしまうのと、
そもそも、実際のドラムセットは打面が平らなので、そうなっているパッドを選びましょう。
音質や打面の反応など総合してこのタイプで一番良いなと思ったのが、
SABIANのQuiet Toneです。
Jojo Mayerが自身のDVDで使っているのがコレですね。

フープのついているものでもう一つ、メッシュヘッドのパッド。
Pearl TPX-10とか。これで足にベルトでつけるタイプもありますが、
口径が小さいと、フープにスティックが当たりやすいのでちょっと注意が必要です。(注意というより技術が必要かもw)
TAMAのだと、スナッピーも付いています。
メッシュヘッドなので、その他のパッドよりは圧倒的に音は小さいです。「てん」という音。
跳ね返りはゴムより多く、チューニングキーである程度はテンションを調節できます。
あくまである程度

材質だと、このくらいですかね。
あとは同じゴム製パッドでもメーカーやモデルによって微妙に違うので、
楽器屋さんで試打してみるのが良いと思います。

もう一つ、細かいことかもしれませんが、
打面は大きいものが良いと思います。
どうしても、持ち運び等を考えると、コンパクトなものを選びがちなんですが、
的が小さいと、無意識的に余計なコントロールをしてしまうので、後々変なクセがついてしまう可能性があります。
特に、モーラーを習得しようとしている方はパッドの大きさには注意が必要で、
打面が大きくないと、スティックをドロップした時に生じるブレでスティックが飛んでいきますw

以上、思っていたよりも長くなってしまいましたが、
イロイロなパッドを使ってきた自分が個人的見解を述べさせていただきましたw
まとめると、跳ね返りの強いパッド1枚と、弱いパッドを1枚持っていると幸せになれるのではないでしょうか。
もっと言ってしまえば、跳ね返りの強いゴムパッドにタオルを乗せて叩けば、消音+跳ね返りを弱く出来ますし、極端に跳ね返りの少ないパッドなら枕で代用。
膝にタオル乗っけて叩いても良いですね。
スニーカーの底は結構跳ね返る、とか小ネタは沢山あるのですが、これはまたの機会に。

準備運動 warm up

今日は準備運動の話。
入念にストレッチしてます!という人もいれば、まったくやらないよー。という人もいるでしょう。

筋肉や筋を伸ばしておくことで、パフォーマンスを上げたり、ケガをしにくくなることはもちろん、
ドラムを叩く前に決まったルーティンを入れることにより、
集中力を高める効果なんかもあると思います。

ただ、よくある運動前のストレッチで、
ドラムを叩く動作で使う部位は果たしてほぐされているのか…

ドラムを叩くときに使う筋肉や関節は、スポーツなどで使う部分と、
違うところもあるので、いざ叩き始めたらなんか調子悪い、なんてことも。

なので、自分の場合は、筋肉や筋をストレッチするのではなく、
関節をほぐすような準備運動をしています。

何年か前に流行った(流行ったのか!?)、骨ストレッチというヤツなんですが、
従来のストレッチとは違い、関節の可動域を広げるストレッチです。
ドラムを叩く動作というのは、筋力よりも関節の柔軟性やスピードを要求されるので、
非常に有効だと思います。

これを提唱している松村卓先生の著書も買って読みましたが、
興味深い内容で面白かったです。
基本的にスポーツをやる方のためのメソッドですが、ドラマーにも良いと思うのでオススメです。

言葉のニュアンス

人に教えたり、HPに記事を書いたりする時に、非常に気を使うのが言葉のチョイス。
元々ドラムセットというのはアメリカ発祥の楽器で、
奏法などは最初に英語で解説されたものがほとんどです。
それを日本語に訳して説明するときに当たる壁が言葉。

8ビートは海外では通用しないというのは有名な話で、
8ビート、16ビートなど、リズムの形によって名称をつけるのは日本では
当たり前のことですが、海外ではあまりそういった言い方はせず、
8th Note Feeling、16th Note Feeling、等と説明されます。
つまり、シンバルを8分音符で刻むことが重要なのではなく、
8分音符のフィーリングを表現することが重要なのです。
同じような和製英語だと、ノートパソコン、ガソリンスタンドなどがありますね。

閑話休題

最近、師から面白い話を聞きました。
よくダブルストロークを解説するのに使う単語で「離す」と「握る」があります。
単純に叩くときの動作を表現した言葉です。
英語で解説するところの「release」と「catch」を訳したものなのですが、
この言葉がダブルストロークというテクニックの習得を阻害している可能性があるのです。
日本人が「握る」と言われてまず想像するのが、こぶしを握る動作だと思います。
ですが、「catch」という言葉は、ボールをキャッチする等に使われる通り、
動いているものを捕らえるというニュアンスがあります。
ここで、ダブルストロークの2発目を「握る」と言われるのと、「捕らえる」と
言われたのでは、動作が変わってくるのではないでしょうか?
特に、力の入れ具合などは変わってきませんか?

師の経験では、これを言い換えるだけで、ダブルストロークを習得できる生徒が
増えたそうです。
このように、テクニックが習得できない場合、
奏法や練習法を見直すと共に、考え方に縛られていないかを
今一度見直してみると良いのかもしれません。